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婚活の安全

結婚相談所の成婚率はなぜ会社ごとに違うのか?定義・計算式の違いと正しい見方

2026年8月5日

結婚相談所を比較していると、「成婚率50%以上」の会社もあれば「成婚率10%前後」の会社もあり、どちらを信じればよいのか分からなくなります。実は、この差の多くは実力の差ではなく、「成婚」の定義と計算式の違いから生まれています。この記事では、業界団体や大手各社が公式に公表している情報だけをもとに、成婚率という数字の仕組みと、惑わされずに読み解くための確認ポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 成婚率には業界共通の算出ルールがなく、各社が独自の定義・計算式で算出しています
  • 「成婚」の意味自体が、婚約から真剣交際の開始まで会社によって幅があります
  • 同じ実績でも、計算式の分母の取り方次第で成婚率は15%にも50%にもなり得ます
  • 数字の高低ではなく、定義・計算式・データの条件が公表されているかを確認することが第一歩です

結婚相談所の成婚率が単純比較できない最大の理由

結論から言うと、成婚率には業界共通の算出ルールが定められておらず、各社が独自の「成婚」の定義と計算式で算出しているためです。数字だけを並べても、前提が揃っていないので比較になりません。

これは外部からの批判ではなく、業界大手自身が公表している事実です。オーネットは公式コラムで「成婚の定義や算出方法は結婚相談所によって異なるため、各結婚相談所がホームページなどに記載している成婚率だけで実績を判断することはできません」と明記しています。成婚率という数字を見るときは、まず「この数字はどう計算されたのか」という視点を持つことが出発点になります。

「成婚」の定義は会社ごとに違う——婚約から交際開始まで

「成婚」が何を指すのかは、実は会社ごとに異なります。日本結婚相談所連盟(IBJ)は「成婚とは、結婚に向けて二人の意思が固まり婚約したことを指します」と定義し、加盟相談所はすべて「成婚=婚約」で統一していると公表しています。一方、同連盟の解説によれば、会社によっては「交際相手が見つかった段階で成婚」とみなす場合もあります。オーネットの公式コラムでも、プロポーズが承諾されたタイミングのほか、結婚を前提とした交際が始まったタイミング、お互いの両親へ挨拶したタイミングなど、さまざまな定義があると説明されています。

ここで重要なのは、どの定義であっても「成婚」は入籍(婚姻届の提出)とは別物だということです。同じ「成婚率80%」でも、その中身が「婚約した人の割合」なのか「真剣交際に進んだ人の割合」なのかで、数字の意味はまったく変わります。

同じ実績でも数字が変わる——成婚率の代表的な計算式

分子はおおむね「成婚して退会した人数」ですが、分母の取り方が会社によって異なります。オーネットの公式コラムは「成婚退会者数÷総会員数」と「成婚退会者数÷全退会者数」という2つの代表的な計算パターンを挙げています。また、パートナーエージェントは「年間成婚退会者÷年間平均在籍会員数×100で算出」という自社の計算式を公式サイトに注記として明記しています。

そもそも「何をどう公表するか」自体が、会社ごとに異なります。

会社・団体公表している内容(一例)
日本結婚相談所連盟(IBJ)「成婚=婚約」と定義を公表
パートナーエージェント計算式「年間成婚退会者÷年間平均在籍会員数×100」を注記として公表
オーネット成婚率ではなく成婚数(実数)を公表

定義を公表する会社、計算式を公表する会社、率ではなく実数を公表する会社があり、公表の仕方そのものが揃っていないことが分かります。

分母が違うと何が起きるのか、説明のための仮想例で確認してみましょう(※以下の数値は分かりやすくするための仮想モデルで、実際の統計ではありません)。会員100名の相談所で、1年間に15名が成婚して退会し、15名が成婚以外の理由で退会したとします。

  • 総会員数を分母にする場合:15名÷100名=成婚率15%
  • 全退会者数を分母にする場合:15名÷30名=成婚率50%

同じ相談所の同じ実績(会員100名・成婚退会15名・その他退会15名)でも、分母を総会員数にすると成婚率15%、全退会者数にすると50%になることを示す横棒グラフ(説明用の仮想例)

上記のとおり、まったく同じ実績でも、計算式次第で成婚率は15%にも50%にもなります。どちらの式が正しい・間違っているという話ではなく、測っているものが違うのです。「在籍している会員のうちどれだけが成婚したか」と「辞めた人のうちどれだけが成婚して辞めたか」は、どちらも意味のある数字ですが、別の指標です。

成婚率の数字に惑わされないための4つのチェックポイント

見るべきは数字の高さではなく、数字に添えられた注記です。次の4点を確認してください。

  1. 計算式の注記を探す:分母と分子が何か、ページの脚注や小さな文字の注記まで確認します。パートナーエージェントのように計算式を明記している会社は、その点で判断材料が揃っています
  2. 「成婚」の定義を確認する:婚約なのか、交際開始なのか。公式サイトに記載がなければ、入会前の相談で直接質問して構いません
  3. データの条件を見る:いつからいつまでの、どの会員を対象にした数字か。対象期間や集計年の記載があるかを確認します
  4. 契約前に「概要書面」で確認する:結婚相手紹介サービス(期間2ヶ月超・金額5万円超の契約)は特定商取引法の「特定継続的役務提供」に指定されており、事業者は契約前にサービス内容を記載した概要書面を渡すことが義務付けられています。口頭の説明だけでなく、書面でサービスの中身と退会の条件を確認できます

なお、成婚率ではなく成婚した人数(実数)を公表する方針の会社もあります。オーネットは、定義や算出方法が各社で異なることを理由に、率ではなく成婚数を公表しています。公表方法の違いはそれぞれの考え方によるもので、率を出していないから不誠実だ、ということにはなりません。

成婚率よりも大切な「自分に合うか」という視点

成婚率は全会員の実績を集計した平均値であり、あなた個人が結婚できる確率ではありません。同じ相談所でも、会員の年齢層や希望条件と自分の状況が合っているか、サポートの手厚さが自分に必要な水準か、費用と活動ペースが無理なく続けられるかで、結果は大きく変わります。

もうひとつ、実務的なシグナルがあります。定義や計算式について質問したとき、明確に答えてくれるかどうかです。数字の根拠を確認できるかどうかは、その会社の透明性をそのまま映します。この「確認できる事実を土台に選ぶ」という考え方について詳しくは、なぜ婚活に「信頼のエビデンス」が必要なのかをご覧ください。

まとめ

結婚相談所の成婚率は、多くの場合、各社が自社の定義と計算式で算出した「前提の違う数字」です。業界共通のルールがない以上、数字の高低を一点比較しても意味はなく、「成婚の定義」「計算式の分母」「データの条件」の3点セットで読む必要があります。逆に言えば、この3点を公表し、質問に明確に答えてくれる会社は、それだけで信頼の判断材料をひとつ提示してくれています。数字に振り回されるのではなく、数字の根拠を確認する。その小さな習慣が、自分に合った選択につながります。なお、本記事で取り上げた結婚相談所と、筆者が開発中のm.o.T.e(婚活イベントのプラットフォーム)は業態が異なります。


よくある質問

成婚率が高い結婚相談所を選べば結婚できますか?

成婚率は全会員の平均値であり、個人の結婚できる確率ではありません。会員構成が自分の希望と合っているか、サポートが自分に必要な水準かのほうが、個人の結果には影響します。成婚率を参考にする場合は、定義と計算式を確認したうえで、同じ計算方式の数字同士を比べてください。

結婚相談所の成婚率は嘘なのですか?

多くの場合、嘘ではありません。各社が自社の基準に則って算出した数字であり、独自の定義や計算式を用いること自体が不正なわけではありません。問題は、前提が会社ごとに違うため、そのままでは他社との比較に使えないことです。「嘘か本当か」ではなく「何をどう測った数字か」という視点で、注記や定義を確認することをおすすめします。

「成婚」と「入籍」は同じ意味ですか?

違います。成婚は多くの場合、婚約や結婚の意思が固まった段階での退会を指し、入籍(婚姻届の提出)はその後に行われます。また、成婚の定義自体が会社によって異なるため、検討中の相談所がどの段階を成婚と呼んでいるかは個別に確認が必要です。

参考文献

  • 日本結婚相談所連盟(IBJ)「結婚相談所の成婚ってどんな意味?成婚退会のタイミングとは」(2026年8月閲覧)
  • パートナーエージェント「成婚率へのこだわり」(2026年8月閲覧)
  • オーネット「結婚相談所の成婚率は?自分に合った結婚相手を見つけるためのポイントも解説」(2023年8月21日公開・2025年5月1日更新)
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026年8月閲覧)

著者:押上婚活バーの元店長

2023年12月〜2025年、東京・押上で婚活BARを週末運営。毎回30〜40人規模(多い日は50人)のイベントを1人で企画・運営。婚活疲れの実態を間近で見てきた経験から、m.o.T.eを開発中。

現在、会う前から、その人らしさや魅力が伝わる婚活プラットフォーム「m.o.T.e」を準備中です。独身証明・行動の積み重ねが可視化される、外見だけでない婚活を目指しています。

m.o.T.eでは、「こんな婚活イベントがあったら行きたい」というアイデアを匿名・無料で投稿・賛同できるリクエストボードを公開しています。共感が集まった提案は、m.o.T.eが主催希望者と一緒に実際の開催を目指します。

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